オールタイム・ベスト 51~

k.onoderaが今までに鑑賞した全ての映画作品から、優れたものを選んだランキングです。
創作物に対し、このように順位を設定して優劣をつけてしまうというというのは乱暴な行為です。あくまで私個人の評価基準による趣向が反映したものととらえてください。またこのランキングは、私自身にとっても絶対的なものでなく、日々変化していくことをご了承ください。

このページでは紹介作品を、随時更新していきます。
※ランキングは、下位のものから並べています。

 


58.『夏至』 À la verticale de l’été
(2000 ベトナム、仏、独) トラン・アン・ユン

ヨーロッパとアジアの感覚の奇妙な融合は、ベトナムとフランスにまたがる監督のルーツによる、巡り合わせの産物でもあります。ですが、その効用は想像以上に映画表現の領域を照らすことに寄与していると感じます。
 


57.『スターダスト・メモリー』 Stardust Memories (1980 米) ウディ・アレン

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ユーモアと芸術性が高いレベルで絶妙なバランスをとった、ウディ・アレン監督作の頂点だと思います。
この恋愛遍歴の物語は、同様の描き方で何度も監督作のなかで繰り返されますが、すでにここで完成形が出来上がっているといえるでしょう。
ケネス・ブラナーが主演に代わった『セレブリティ』もおすすめ。


56.『リオ・ブラボー』 Rio Bravo (1959 米) ハワード・ホークス

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『真昼の決闘』との確執でも有名な、娯楽性を最大限に強調したウェスタン快作。
絶望的な篭城戦の閉塞感が息苦しく現代的ですが、同時に底抜けの明るさと長閑さがあるのが面白い作品です。


55.『アズールとアスマール』 Azur et Asmar (2006 仏) ミシェル・オスロ

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優れて聡明でユニークな歴史・芸術・宗教・政治観を持つミシェル・オスロ監督による、オリエンタルなおとぎ話を解体し、新時代の寓話を構築した最高傑作。
3D-CGと、オスロの得意な平面的表現の組み合わせに違和感を感じる部分があり、画面設計は『キリクと魔女』よりも劣るものの、それを遥かに凌駕する意欲で、鮮やかな色彩と衒学的な意匠が施されています。


54.『大江戸五人男』 (1951 日) 伊藤大輔

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松竹三十周年記念映画として豪華キャストが集まっていますが、伊藤大輔監督がものすごい手腕で、おそろしく面白い娯楽作品としてまとめあげていて圧倒されます。
本作における旗本と有力な武家の確執、武士と町人文化の軋轢描写など、現在では失われたこだわりにあふれた、味わい深い時代劇です。

 


53.『春の劇』 Acto da Primavera (1963 ポルトガル) マノエル・ド・オリヴェイラ

内容はドライヤーの『奇跡』を彷彿とさせますが、でたらめな前衛性が新しく加わって、空前絶後のダイナミズムを発生させます。

 


52.『クリムゾン・タイド』 Crimson Tide (1995 米) トニー・スコット

国家をひとつの「原子力潜水艦」というモデルに凝縮し、アメリカの拮抗する政治信条と、進歩する価値観と去り行く者の潔さをとらえた快作。
論理的に構築された脚本の完成度がきわめて高い。


51.『ヤンヤン 夏の想い出』 Yi Yi: A One and a Two
(2000 台湾) 楊徳昌(エドワード・ヤン)

映画とは何か。映像の魅力にあふれたエドワード・ヤン監督の秘密が、ついに明かされるラストシーン。打ちのめされるとともに、希望を与えられる映画です。
 



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