デヴィッド・リンチ ディレクションのナイトクラブがパリにオープン

 

先頃、アルバム”Crazy Clown Time”で、ソロ・ミュージシャンとしてデビューしたことでも話題を集めた、映画監督デヴィッド・リンチが、設計、コーディネート、家具製作等を手がけた先進的なナイトクラブ、”Club Silencio(クラブ シレンシオ)”が、2010年9月、パリのモンマルトル通り沿いにオープンした。

 

“Club Silencio”といえば、映画『マルホランド・ドライブ』で、ストーリーの真相に迫る重要な場面に登場した劇場の名前でもある。
そこで表現されたような、独特な、淫靡で暗く美しい雰囲気とともに、新進気鋭のパフォーミング・アーティストやバンド、DJによる公演、映像上映、ユニークなカクテル、ワイン、スピリッツ、フィンガーフード、そしてリンチ自身の製作によるインテリア・アイテムなどが迎えてくれるというコンセプトなのだ。
デヴィッド・リンチは、クラブ・シレンシオについて、以下のように語っている。

 

「私は65歳だ。人は、50代に入ると、自分の性的能力が健在であることを誇示するため、巨大なタワーを作りたがるという。私は、始まりと終わりを持ったもの、映画、作曲、あらゆる種類のオブジェクトを作ってきた。今、私は一緒にしたものを作りたいと思っている。もともと、私は絵を描くことから始めた。…ここ3年の間、私はモンパルナスの石版画のスタジオで仕事をしている。ピカソやミロが描いた同じ場所、同じ石に刻んでいる。…”シレンシオ”については、2年前から取り組み始めた。そしてそれは、私自身の永遠を感じさせるものだ」

 

下の写真は、デヴィッド・リンチ本人により撮影された、クラブの内部。

 

 

デヴィッド・リンチは、映画監督であると同時に、絵画、写真、オブジェ、家具などの、多岐に渡る優れたアーティストでもある。映画『ロスト・ハイウェイ』の撮影に使われたいくつかの魅力的な家具も、彼がデザインし、自ら工作したものだ。
クラブ・シレンシオに配置されているインテリア・アイテムは、デザイナーRaphael Navot とのコラボレーションである。

 

中でも、擬人化されたスピーカーのデザインは非常に面白い。

 

 

クラブオーナーArnaud Frisch(メガネの方)と、デザイナー Raphael Navot。

 

 

Arnaud Frisch(メガネ):
Social Clubという、クラブとマネージメント音楽のプロダクトをする団体を運営。サンフランシスコ美術大学出身の、写真家、アーティストでもある。
http://www.mairianne-art.com/

Raphael Navot
デザインアカデミー・アイントホーフェン出身。現代的なオブジェ、未来的な家具、ファッション・リングなどを製作している気鋭のデザイナー。

 

 

リンチといえば、多くの映画にコーヒーを登場させ、またコーヒーメーカーまで自作し発売してしまったほどの熱心なコーヒー嗜好者でもある。
クラブ・シレンシオでコーヒーを淹れてくれるのは、デンマーク出身の2005年ワールド・バリスタ・チャンピオン、Troels Poulsen。

 

映画『マルホランド・ドライブ』では、イタリアン・マフィアがロサンジェルスでコーヒーを飲んで、「なんじゃこりゃーっ!!」と激怒するシーンがあったが、このクラブにおいては、その心配はなさそうだ。

 

クラブ・シレンシオでは、リンチがセレクトした、学級文庫ならぬシレンシオ文庫(ライブラリー)が設けられるもよう。ドストエフスキーの「罪と罰」、カフカの「変身」、フランク・キャプラ自伝、ロバート・ヘンライ美術指南書「アート・スピリット」、学芸員ロバート・フリン・ジョンソンの収集写真集など。

営業情報(記事作成時現在):
月曜休。営業時間PM6:00~AM6:00。基本は会員と同行者のみが入店可能(深夜0:00以降はフリーで入店可能との噂)。
会員の年会費は€780(1115ドル)、保険料€1,500(2140ドル)、30代以下と非フランス人は€420($ 600)の割引サービス有りとのこと。
申し込みは”silencio-club.com/“から。

 

また、リンチのアルバム“Crazy Clown Time”の発売を記念して、Club Silencio では、10月27日まで、上映会、ライブパフォーマンスなど、リンチが好き勝手にクラブのプログラムを決めるもよう。

上映されるのは、リンチの最も愛するフェイヴァリット・ムーヴィー、『サンセット大通り』、『裏窓』、『ロリータ』、『ぼくの伯父さん』、『81/2』、『狼の時刻』、『アパートの鍵貸します』。
お気に入りのバンドも招聘。The Kills、Au Revoir Simone、Kitty、Daisy & Lewis、Lykke Li などなど。

オープニング・ナイトで弾き語りをした、パリ在住の日本人アーティスト Sayoko Parisさん。

Chilly Gonzales “Knight Moves”

クラブ・シレンシオは、モンマルトル通りとクロワッサン通りに面し、向かいにカフェレストランのある、おいしそうな場所に存在する。

Google Map ストリートビューで見る”Club Silencio”。

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