小野寺系 2017年黒獅子ベストテン

2017年も、たくさん映画を観て映画について書くことができました。こういうことが継続できているのも、読んでいただいている方、SNSで広めていただいている方あってこそです。そう、あなたです!いつも感謝しています。

さて、この記事では恒例の映画ベストテンを発表します。今回はアニメーション映画のベストテンや、各部門賞を設けています。あわせてお楽しみいただければと思います。

2017年の映像エンターテインメント界では、ついに放送されたデヴィッド・リンチ監督によるドラマ「ツイン・ピークス The Return」が、あまりにも圧倒的でした。
伝説になるだろう8話や、暗く美しい最終話を含め、まさにこれまでのリンチ作品の集大成であり、また、本物の天才がリミッターを解除してやりたい放題やったら、ここまでのものができてしまうのかという驚きを味わわせてくれる実験作でした。

フランスの「カイエ・デュ・シネマ」誌で、この「ツイン・ピークス The Return」が2017年の“映画”ベストワンに選ばれたように、カンヌ映画祭で議論になった「劇場で上映するか否か」で線引きをするというのは、どんどん曖昧になっています(カイエでの「ツイン・ピークス」選出というのは、そのことへの政治的意見という意図もあるでしょう)。
ともあれ、ピカソの絵画、モーツァルトの楽曲やマイルス・デイヴィスの演奏のように、おそらく「ツイン・ピークス The Return」も、パイロット版や映画版と同じく、人類史に長く遺るものになるのだろうと感じます。

…と、いう理由もあって、今回のランキングで「ツイン・ピークス The Return」は「別格」扱いということにさせてもらいます!
そして、年末に突然登場した『バーフバリ 王の凱旋』ですが、これも別次元に凄すぎて、「映画」というより、もはや”DREAM”なのではないかということから、これも「別格(DREAM賞)」とさせていただきます。

それでは、2017年に私が観た作品のベストテンを紹介します!!
挙げるタイトルほとんどの評論を書いています。気になる作品やご覧になった作品があれば、ぜひ読んでみてください。

▼リンクをクリックすると評論が読めます。
総評「年末企画:小野寺系の「2017年 年間ベスト映画TOP10」」


01.『Okja/オクジャ』 Okja
(韓国・アメリカ映画 ポン・ジュノ監督)

▼リンクをクリックすると評論が読めます。
「ポン・ジュノ新作『オクジャ/okja』が告げた映画の未来」


02.『マリアンヌ』 ALLIED
(アメリカ映画 ロバート・ゼメキス監督)

ブラッド・ピット主演『マリアンヌ』は、名画『カサブランカ』の美しい“偽物”だ


03.『夜明け告げるルーのうた』
(日本映画 湯浅政明監督)

「あふれ出るアニメ本来の魔法の力-湯浅政明監督『夜明け告げるルーのうた』の真価を探る」


04.『ムーンライト』 Moonlight
(アメリカ映画 バリー・ジェンキンス監督)

「これは“自分のための映画”だ-マイノリティ描く『ムーンライト』に共感を抱く理由」


05.『花筐/HANAGATAMI』
(日本映画 大林宣彦監督)

「大林宣彦監督の圧倒的な執念-『花筐/HANAGATAMI』の幻惑的で自由な映画世界」


06.『LOGAN/ローガン』 Logan
(アメリカ映画 ジェームズ・マンゴールド監督)

「『LOGAN/ローガン』は“名作映画”の領域に-本物のドラマに宿るアメリカの魂」


07.『しあわせな人生の選択』 Truman
(スペイン・アルゼンチン映画 セスク・ゲイ監督)

余命少ない男と友人の数日間の交流をつつましく描く地味な小品ながら、確かな演技と知性的な演出によって、きわめて上質で繊細な、大人のための感動作に仕上げています。
ダンディーな男が泣きだしたいのをグッとこらえるような描写が素晴らしく、感情の高ぶりを、叫んだり大仰な演出で表すのでなく、こういう抑えた演技を見せ場にするような映画も、もっと話題になってほしいと思います。


08.『ドリーム』 Hidden Figures
(アメリカ映画 セオドア・メルフィ監督)

『ドリーム』はハリウッドの新しい波の象徴となる-黒人女性たちが成し遂げた偉業


09.『SING/シング』 Sing
(アメリカ映画 ガース・ジェニングス監督)

2017年ciatr的ベストムービーはコレだ!【ライター編】「映画が映画でない時代へのカウンター」


10.『人生タクシー』 Taxi
(イラン「映画」ではない ジャファル・パナヒ監督)

『人生タクシー』は“映画”ではない? 特異な表現を生んだ、イラン社会の現実


■ アニメーション映画ベストテン
2017年は劇場アニメーション作品の質が高かったので、これだけで立派なランキングが作れました。ご鑑賞の助けになれば幸いです。


Animation 01.『夜明け告げるルーのうた』

「あふれ出るアニメ本来の魔法の力ーー湯浅政明監督『夜明け告げるルーのうた』の真価を探る」


Animation 02.『SING/シング』

2017年ciatr的ベストムービーはコレだ!【ライター編】「映画が映画でない時代へのカウンター」


Animation 03.『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』

「『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』は人生に深く結びつく傑作だ-その神秘的な作風を読む」


Animation 04.『フェリシーと夢のトウシューズ』

「往年のスポ根少女漫画の世界!?『フェリシーと夢のトウシューズ』は呪われた夢を描く」


Animation 05.『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』

「日本のアニメーションが失ったシンプルさと壮大さ 『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』が描く冒険世界」


Animation 06.『カーズ/クロスロード』

「『カーズ/クロスロード』に見る、次世代に受け継がれるディズニー/ピクサーの精神」


Animation 07.『モアナと伝説の海』

「伝統を守り、伝統を壊していく-『モアナと伝説の海』が伝える作り手のメッセージ」


Animation 08.『ゴッホ~最期の手紙~』

「油絵が動くアニメ『ゴッホ~最期の手紙~』はどう作られた?前代未聞の手法に迫る」


Animation 09.『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』

「青春アニメ、なぜ地方の町ばかり舞台に?『打ち上げ花火~』の独自性に迫る」

「アニメ版「打ち上げ花火」が打ち立てた新たな“青春”とは」


Animation 10.『ひるね姫』

「神山健治監督『ひるね姫』はアニメ業界の未来を示唆する-新たな作風に隠されたメッセージ」


今回は豪華版でお送りしています。他、各部門賞も発表します。

■ DREAM賞(特別作品賞):『バーフバリ 王の凱旋』

バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!


■ 監督賞:デヴィッド・リンチ

「デヴィッド・リンチ、その悪魔的才能の秘密」

■ 監督賞:大林宣彦

「大林宣彦監督の圧倒的な執念-『花筐/HANAGATAMI』の幻惑的で自由な映画世界」

「肺がん、余命3ヶ月」という余命宣告を受けながら、傑作『花筐/HANAGATAMI』を撮りあげ、さらに治療によって回復を遂げるという、奇跡の復活を果たしたものすごさ。「映画」や「世界」のため、監督にはまだまだ撮っていただきたい!


■ 主演俳優賞:

プラバース(『バーフバリ』2部作による)

バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!

ドナルド・グローヴァー(ドラマ「アトランタ」による)


■ 助演俳優賞:伊藤歩(『昼顔』による)

「上戸彩VS伊藤歩、狂気の対決に戦慄!地獄へ堕ちる不倫映画『昼顔』が観客の心をえぐる理由」


■ アメリカTVドラマ部門

「ツイン・ピークス The Return」


(オードリー金屏風 k.onodera画)

「デヴィッド・リンチの“映像ドラッグ”再来かーー『ツイン・ピークス』が27年ぶりに復活する意味」

「アトランタ」

新時代の「負け犬」作品の決定版!この作品については折を見て書きたいです!


■ 日本TVドラマ部門

「過保護のカホコ」

「“過保護”は果たして悪なのか? 高畑充希主演ドラマ『過保護のカホコ』が描いた自主性の重要さ」


■ TV・配信アニメ部門

「ボージャック・ホースマン」シーズン4


2017年、最も注目を集めた記事が『メアリと魔女の花』評でした。ここまでの超・酷評を掲載していただいた「リアルサウンド映画部」に感謝します。

「小野寺系の『メアリと魔女の花』評:“ジブリの精神”は本当に受け継がれたのか?」

それでは、2018年も引き続きよろしくお願いします!どこまでやれるか分かりませんが、環境が許す限り執筆を続けていきますね。
それではまた!


記事へのコメント: “小野寺系 2017年黒獅子ベストテン

  1. 2018年1月2日 at 9:50 AM

    別格は、ツインピークス新作、ですか!

    続けてみているうちに、レズナーが出演(とあとで知った)8話を見損ない、そこから失速…
    去年の大きな反省、となりました…

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